バイク大手、ホンダとヤマハが提携。ライバル同士がバイクで協業の検討をすると正式発表

2016年10月05日 17:39

 本田技研工業とヤマハ発動機が、提携することを前提に具体的な発表を行った。日本国内の50cc原付スクーターや、電動二輪車を含めた原付一種領域での協業に向けた業務提携について検討を開始した。

 近年、国内では、電動アシスト自転車や軽自動車など、近距離での移動手段の多様化により、原付一種市場は縮小している。

 ライバル関係にある2社が提携する背景には、深刻なバイク離れがある。少子化や違法駐車の取り締まり強化、若者のバイク離れなどでバイク市場は縮小。「原付1種」と呼ばれる50ccスクーターやバイクの販売台数は、2005年は約47万台だったが、2010年には約23万台と半減した。

 また、強化される保安基準や排出ガス規制など法規制への対応、さらには電動化の推進など、二輪車メーカーとして取り組むべき課題に山積している。

 こうした環境下、ホンダとヤマハはこれらの課題解決に向けた協力が必要であるとの共通認識のもと、日本国内の原付一種領域における協業を目指す。

第一種原動機付自転車とは、道路運送車両法で定める、総排気量50cc以下のエンジン、または定格出力0.60kW以下の電動モーターを搭載する二輪以上の乗り物のことだ。

 協業に向けた主な検討内容は、2018年を目途に、ホンダが生産・販売を行なっている日本市場向け50cc原付スクーター「TACT(タクト)」「Giorno(ジョルノ)」をベースとしたモデルをヤマハにOEM供給するというもの。

ヤマハは、このOEM供給を受け、それぞれ「JOG(ジョグ)」・「Vino(ビーノ)」として販売する予定。

 現在、日本市場向けにホンダ「BENLY(ベンリィ)」、ヤマハ「GEAR(ギア)」としてそれぞれ開発・生産・販売している、50cc原付ビジネススクーターについても次期モデルの共同開発、ならびにホンダからヤマハへのOEM供給を検討する。

 日本市場における原付一種クラスを中心とした電動二輪車の普及を目的に、航続距離・充電時間・性能・コストといった課題の解決を目指した基盤づくりの協業を検討する。そして、今後生まれる取り組みの成果を同業他社、異業種にも広く提案することで、電動化の普及に取り組むという。(編集担当:吉田恒)