2016年7月4日~6日にかけて、コカ・コーラ ゼロ鈴鹿8時間耐久ロードレースの公式合同テストが行われた。
合同テストの初日、総合トップに立ったのはヨシムラ スズキ Shell ADVANCE、次いでTOHO Racing、3番手にTeam KAGAYAMAがつけた。テスト2日目はTeam KAGAYAMAがトップに立ち、2番手はTeam GREEN、3番手はF.C.C.TSR Honda。最終日はヨシムラ スズキ Shell ADVANCEがワンツーを決め、3番手にF.C.C.TSR Hondaという結果となった。
今年で39回目を迎える鈴鹿8耐は、毎年真夏の最も暑い時期、しかも高温多湿の日本・鈴鹿で行われるため世界一過酷な耐久レースとも言われており、バイクファンならずとも一度は聞いたことあるだろう。
そんな鈴鹿8耐だが、今年は大きな変化があった。大会にエントリーできるチームが70チームに制限されることとなったのだ。FIM世界耐久選手権に年間エントリーするチームから最大20チーム、昨年の鈴鹿8耐で決勝レース上位20位までのチーム、トップ10トライアルに進出したチームにはシード権が与えられるが、それ以外のチームは鈴鹿8耐トライアウトとして指定されたレース(2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース200km耐久および鈴鹿サンデーロードレース第2戦JSB1000)によって選抜される。
これによって今年の8耐は選ばれしチーム・ライダーによる予選・決勝となり、例年よりもレベルに高い戦いとなることが予想される。
昨年の鈴鹿8耐もハイレベルな戦いであったが、今年はさらに白熱したレースが期待きるのだ。さらに期待が高まる要因の一つにヤマハの活躍がある。昨年勝利を手中にしたのはYAMAHA FACTORY RACING TEAM。ここ数年F.C.C. TSR Honda、ヨシムラ スズキが常勝組となっていたが、昨年はこれをヤマハが覆したのだ。実に19年ぶりの8耐優勝に会場の熱気は最高潮に達した。果たして今年はどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。
合同テストの結果ではヨシムラ スズキの好調ぶりが窺えるが、テストの結果だけで決勝の展開を予測するのは難しい。YAMAHA FACTORY RACING TEAM やF.C.C. TSR Hondaもテストの結果を得て調整をきっちり行ってくるだろう。3年連続で表彰台を獲得し、合同テスト2日目で総合トップに立ったTEAM KAGAYAMAは今年も注目株だ。
また、耐久レースには独特の難しさがある。鈴鹿8耐は複数人(2人ないし3人)のライダーが交代する形式で行われるため、スプリントレースのように個々のライダーにきっちりと合わせたセッティングは不可能だ。さらに、スプリントレースとは異なり、ピットワークも勝敗を左右する。気温・路面温度が非常に高く、マシンにもライダーにも過酷な鈴鹿8耐において、チームワークも勝敗のカギとなってくることは間違いない。
開幕までにどれだけ詰められるか、これはどのチームにとっても重要な課題である。
注目のライダーだが、昨年覇者のYAMAHA FACTORY RACING TEAMは中須賀克行、ポル・エスパルガロ、アレックス・ローズの3人体制。F.C.C. TSR Hondaは渡辺一馬、パトリック・ジェイコブセン、ドミニク・エガーター。ヨシムラ スズキ Shell ADVANCEは津田拓也、ジョシュ・ブルックス、芳賀紀行。今年で39回目を迎える。TEAM KAGAYAMAは加賀山就臣、清成龍一、浦本修充の布陣で参戦する。
YAMAHA FACTORY RACING TEAMの2連覇なるか、それともヨシムラ スズキ Shell ADVANCE、F.C.C. TSR Hondaが巻き返すのか、はたまたTEAM KAGAYAMAをはじめとする別のチームが台頭してくるか――鈴鹿8時間耐久ロードレースは7月28日に開幕。29日の公式予選、30日の鈴鹿4時間耐久ロードレース・トップ10トライアルを経て、31日に決勝を迎える。
世界一過酷なレースを制するのはどのチームか、開幕が楽しみでならない。(編集担当:熊谷けい)