国民生活センターは東日本大震災後、中古車の買い取りを巡るトラブルが増えているとして、消費者に「売却代金を受け取る前に、車両と書類を引き渡してしまうのはリスクが大きい」など、売却したものの代金をもらえないトラブルも発生していることなどから冷静な対応を呼びかけている。
国民生活センターによると「新車の供給不足に端を発した中古車需要の高まりを背景に、自動車の売却(自動車買い取りサービス)に関する消費者相談件数が増加している」という。
中でも「強引な買い取り勧誘、それに伴う解約・解約料トラブルなどが発生しているほか、水没車の買い取りや売却した自動車の放射能汚染など、震災が直接関係したトラブルもある」としている。
具体例では「クーリングオフできるからとの虚偽説明で契約を強要され、売ると言っていないのに車を持って行かれた」ケースや「車の価値を見るために査定サイトを利用したら、しつこい勧誘を受けた」。「車を引き渡したのに倒産により売却代金が支払われない」「放射線の値が瑕疵にあたると言われ、勧誘を断ったところ、被災地がどうなってもいいのかと脅された」などがあったという。
このため、国民生活センターでは(1)その場で契約せず、一度クールダウンしてから対応すること(2)査定サイトへ個人情報を書き込むと買い取りの勧誘がある(3)解約料は契約書どおりに支払わなければならないとは限らない(4)売却代金を受け取る前に車両と書類を引き渡してしまうのはリスクが大きい(5)契約後の車両の瑕疵を理由にした契約の解除や減額は原則として認めなくてよいなどを助言。そのうえで、トラブルにあったら最寄りの消費生活センターに相談をするようにと呼びかけている。(編集担当:森高龍二)