日本経済団体連合会は医療・介護制度改革として、年末までに結論を得るべき課題だとしたうえで、医療保険での患者負担について「複数の慢性疾患を有する患者の対応や医療機関の機能分化を推進する観点から『かかりつけ医』機能を明確にした上で『かかりつけ医』以外を受診した際、定額負担を求めること」などを21日までに提言した。
また薬剤費についても「湿布やうがい薬等、長らく市販品として定着している市販類似薬について、保険償還率の引き下げや保険給付の適用外とすべき」としたほか「国民のセルフメディケーションの意識を高めるため、医療用医薬品のスイッチOTC化などにも取り組むべき」としている。
高額薬剤については「収載当初の前提が変化していることを踏まえ、薬価の早急な見直しを行い、保険財政の安定性を確保することが求められる」とした。
介護保険給付についても「介護保険の給付(総費用)は2016年予算ベースで約10兆円だったが、2025年には約20兆円に、75歳以上の人口は2015年の1646万人から2025年には2179万人になると見込まれている」とし「制度の持続可能性確保の観点から、軽度者に対する給付のあり方を見直すことで、重度者への給付に重点化していくことは不可避」とした。
具体的検討例として「要支援者に対する介護予防給付(通所リハビリテーション等)並びに軽度要介護者に対する生活援助サービス(調理、洗濯、掃除等の日常生活の援助)について、早急に地域支援事業への移行を促すか、給付率の引き下げを行い、要介護度3以上の利用者を対象に給付の重点化を図っていくべき」とした。
また「福祉用具貸与・住宅改修について、給付の重点化の観点から軽度者には全額自己負担化も含め保険給付率を引き下げる方向で見直していくことが求められる」などとしている。(編集担当:森高龍二)