ここ数年、政府の支援策などにより住宅用太陽光発電システムの普及が進むことでハウスメーカー各社はスマートハウスの市場投入に力を注いでいる。スマートハウスとはITを駆使して家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅。例えば太陽光発電システムや蓄電池、家電をバランス良くコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで省エネ住宅が完成するという。また購入者にとっては光熱費を削減できるため経済的にも魅力が大きい。この流れの中で近年はスマートマンションも加速度を増して普及しているようだ。
パナホーム<1924>はパナソニックグループのエネルギー技術と、住宅メーカーとして培った住まいづくりのノウハウを融合させたスマートマンション『マジェスティハウス新宿御苑パークナード』エクセレントステージの分譲を2013年2月下旬より開始する。
同マンションは、パナソニック製の太陽光発電システム(10kW)とリチウムイオン蓄電池(15kWh)を連携させ、共用部の照明設備の補助電力などを供給。全戸にHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)として、パナソニック製「ECOマネシステム」などの最新設備を採用し、電気・水道・ガスなどの使用量を見える化することで省エネに貢献するという。また、既存マンション3棟と野口英世記念会館を等価交換方式で共同建替えすることで、従前比約1.4倍の延床面積を確保し、地権者への資産還元率を向上。さらに、パナホームグループの不動産会社が、さまざまな対応で地権者をバックアップ。マンション建替え中の仮住まいを斡旋するほか、転出希望者には新居を斡旋、新マンションの住戸借上げ希望者には借上げ対応を行うという。
また、野村不動産<3231>は、分譲マンションとして展開している「プラウド」シリーズにおいて、次世代マンションの環境ビジョンとしてプラウドスマートデザイン「~SMART&GROWING~」を策定した。この「~SMART&GROWING~」はこれまでの物件で実施した様々なエコや先進的な取り組みを集約した新アクションプランで、「太陽光発電」、「小型蓄電池」などの設備を今夏より標準装備するという。さらに、一定規模以上の物件には次世代マンションエネルギーシステム「エネコック」(ホームエネルギーマネジメントシステム&マンションエネルギーマネジメントシステム)を導入。2月中旬よりモデルルームをオープン予定の『プラウド東京八丁堀』(105戸)を第1号プロジェクトとして、日本初の「エネルギーの見える化」ができる「新型セキュリティモニター」等を採用し、平成25年春発売の首都圏のプラウドシリーズから順次対応する。
少子化傾向、経済不況の影響を受け、一軒家より比較的に安価なマンションの方が購入しやすいとの声も多い。そのため大手ハウスメーカー各社は、スマートハウスと同様、蓄積された開発力や設計のノウハウを最新技術と合わせたスマートマンションを今後は加速度を増して展開していくと考えられる、注目していきたい。(編集担当:宮園奈美)