一般向けセミナーが、消費者に健康食品の最新の裏付けを伝える手段に

2012年04月16日 11:00

 飲食品だけでなく化粧品などにも、ミツバチ関連の商品は多いが、なかでもローヤルゼリーやプロポリスは認知度が高く、健康食品などへの配合も一般化している。昨年12月に日本通信販売協会サプリメント部会が発表した、売上上位商品を集計したデータによると、ローヤルゼリーはブルーベリーと並んで4位、プロポリスもコエンザイムQ10やウコンなどと同順位に位置するほどの人気素材である。

 このように、有用性や名称の認知度が高いローヤルゼリーやプロポリスであるが、未だ解明されていないことも多い。その為、多くの機関が研究を進めており、日々その可能性を広げている。さらに、その認知度の高さ故か研究結果に対する消費者の関心も高い。各地でシンポジウムやオープンセミナーなどが多く開催されており、人気を博している。

 全国ローヤルゼリー公正取引協議会では、「ローヤルゼリーの食用効果」をテーマとして1985年以降、各地の大学や研究機関に研究を委託。高脂血症及び成人糖尿病に対するローヤルゼリーの作用に関する研究や、ローヤルゼリーの老化抑制作用の検証など、幅広い分野・効能について研究を行っている。そして昨年10月には、シンポジウム「美と健康をサポートするローヤルゼリーの効果」を開催。「ローヤルゼリーの骨粗鬆症予防改善効果」「ローヤルゼリーの糖尿病予防改善効果」「ローヤルゼリーの皮膚保湿効果」につき、それぞれ第一線で活躍する研究者が最新の研究結果を含めた講演を実施している。加齢や生活習慣から来る身近な体調の変化に抗するローヤルゼリーの可能性について、一般の人に向けて紹介した形である。

 プロポリスについても、今年2月に日本プロポリス協議会主催の「魅力いっぱい『プロポリス』2012オープンセミナー」にて、一般の人に向けて最新の研究結果が発表された。こちらは山田養蜂場が大学と共同で行っている研究成果の発表である。糖尿病予備軍の初期における危険信号であるインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)が、ブラジル産プロポリスの予防的な摂取によって改善されることをラットでの実験で明らかにした事例や、スギ花粉が飛び始める前からブラジル産プロポリスを予防的に摂取することが、花粉飛散後の花粉症の発症を遅らせ、鼻をつまりにくくさせる効果があることを明らかにした事例を紹介。自らの生活に直結する研究成果の発表であるだけに、集まった240人もの参加者は、メモをとるなど熱心に聴講していたという。

 これらの研究結果は、今まで知られていなかった効能の発見だけでなく、古くから行われてきた民間療法などの効果を裏付けるものでもある。蜂蜜やローヤルゼリー、プロポリスなどのミツバチ産品が、健康に有用であることを体感的に知っている人は多いであろう。最新の研究結果による裏付けを一般の人に直接伝えられるこのような機会は、科学的根拠を求める消費者と企業との重要なコミュニケーションツールの一つとなるだろう。