伊藤忠商事及びカルビーが、康師傅方便食品投資(中国)有限公司(康師傅投資)と、中国におけるスナック菓子の製造会社を設立することで合意したと発表。今年7月を目処に合弁会社を設立し、2012年度中の工場稼動及び商品販売を予定している。
新会社では、カルビーが技術・ノウハウを提供し、康師傅投資と共同で商品開発を推進。中国の即席麺・飲料最大手の康師傅グループの物流網・販売力を利用して、早期のブランド確立を目指す。具体的には、事業開始後5年以内に、Want Wantがトップの22%、PEPSICO15%、Liwayway11%、Daliが10%となっている中国スナック菓子市場において、シェア10%の獲得を目標すとのこと。
康師傅投資は、伊藤忠商事が出資をしている頂新(ケイマン)ホールディングの傘下企業。今回のスナック菓子製造事業への参入は、伊藤忠商事が頂新グループと加速して展開している中国における食品及び小売市場への取組の一環として実施される。
中国のスナック菓子市場規模は約1500億円ともいわれており、年平均10%以上で成長を続けているという。現在の一人当たり消費量はまだ先進国の100分の1以下となっているものの、中国の経済成長に伴う生活スタイルの変化に伴い、今後も長期にわたり2桁成長が続くと予測されている。
国内のスナック菓子市場は、昨年の震災を契機とする自粛ムードは解消されつつあるものの、本格回復には至っていないという。カルビー製品が中国でシェアを伸ばす施策ではない点が残念ではあるが、今後、日本国内の市場が縮小とも見られている中、日系企業の進出も多い中国での展開は、的を射たものと言えるのかもしれない。