日本政策投資銀行(DBJ)と双日が、日系企業のアジア進出支援を共同にて進めることで提携したと発表。「DBJアジア金融支援センター」のサービス業務を通じて、地方銀行、地方中堅・中小企業の情報ニーズへの対応、また日系企業を中心とするアジアへの企業進出支援を強化していくという。
DBJは、2011年6月に「DBJアジア金融支援センター」を設立し、現在加盟する63行の地方銀行を通じた、地方中堅・中小企業のアジア進出支援のため、コンサルティングや情報提供サービスを展開。一方、双日 は、インドネシア・ベトナム・インドでの工業団地開発を行っており、これら工業団地への進出企業を中心に、実務に即した現地での企業設立、事務所斡旋・工場建設、設備調達・据付、各種許認可など、申請・手続に対する一貫した支援サービスを展開している。今回の提携により地方中堅・中小企業は、地方銀行を通じて、より実務的な支援サービスにアクセスすることが可能となる。
先日も、2011年の小売市場が2010年比約30%増と急成長中のベトナムに置いて、国分との共同で同国最大手の食品卸事業者に出資し、アジア食品卸事業に本格進出することを発表した双日。今回の提携は、双日グループの進出だけでなく、他の日系企業へのアジア進出支援を強化・本格化する施策と言える。伸長する東南アジア諸国への進出は、中国が影響力を強めていることもあり、今を逃すと、今後その恩恵を十分に受けることが出来なくなるかもしれない。今回の提携同様に、自社の利益だけを求めた進出ではなく、日系企業が進出しやすい仕組みを早急に確立することが急務と言えるのではないだろうか。