日立製作所<6501>と博報堂(代表取締は、ビッグデータ利活用やIoTに関連する事業を進める中で、生活者のパーソナルデータ利活用に対する生活者の意識を調査した「第三回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」を協働で実施した。
調査は、ビッグデータやIoT、人工知能等に関する技術やサービスの進展に伴い、生活者のパーソナルデータが各方面で利活用される中で、生活者の意識の変化や新たな技術に対する関心などを定量的に把握することを目的としている。日立と博報堂は、両社におけるビッグデータ利活用の事業推進の一環として、プライバシーに配慮した適切なパーソナルデータの取り扱いに向け、2013年の第一回、2014年の第二回に引き続き、今回、第三回目となる調査を実施した。
具体的には、前回調査から継続して、生活者が自身のパーソナルデータを利活用されることに対する抵抗感の実態やその軽減方法を調査し、生活者のプライバシーに対する姿勢や理解度に応じて、パーソナルデータの利活用に対する抵抗感や許容度がどのように変化するかを調べ、データを取り扱う企業に求められる取り組みについて検証している。また、今回新たにIoTや人工知能といった新技術やそれらを活用したサービスに対する期待や不安などに関する調査のほか、2015年の個人情報保護法改正に関する設問を調査項目に加え、法規制が個人の安全性や企業の活用につながるか等の評価も調査した。
それによると、不安要因のトップ3は「拒否権欠如」「目的外利用のおそれ」「説明・公表不足」だった。企業によるプライバシー対策として、「いつでも利用を停止できる」「利用終了後、適切に破棄する」ことで不安が軽減するとの回答が7割以上。また、生活者が詳細の説明が必要であると感じているのは、「利用目的」「第三者への提供の有無」「問い合わせ先」だった。
そして、IoTにおける懸念は「データ漏えい」「本人が気づかないままにデータ収集されること」だった。人工知能における懸念は「自身のデータ確認や削除ができない」「意図せず個人が特定されてしまうおそれ」。期待を高めるには、パーソナルデータを活用するサービス、新しい技術の提供における適切な説明が必要、という結果になった。
さらに、「データ保護責任者の任命」など、企業にプライバシー保護の取り組みを促す項目を義務化することが重要と、5割が回答した。(編集担当:慶尾六郎)