アイ・エム・ジェイ(IMJ)は、2016年11月21日~11月22日、自社の顧客戦略立案・実行、または商品やサービスのマーケティング担当者330名を対象に「顧客との関係性を測る指標の導入状況調査」を実施した。ここでは、企業と顧客との関係性(ロイヤルティ)を測定する指標であるNPS(Net Promoter Score)を中心に調査している。NPSは、「顧客接点NPS」と「企業・ブランドNPS」の2つの考え方があり、近年では「企業・ブランドNPS」に関する問い合わせが増してきたという。
ここでは、複数の顧客接点を共通の指標で評価・分析・改善することへの認識の高まりを検証するため、複数の顧客接点共通の指標を導入している企業実態の調査を実施した。その結果、「顧客接点共通の指標がある」と回答した企業は約6割。その多くは「CS(顧客満足度、Customer Satisfaction)」を導入しており、NPSを導入している企業はまだ少ないという結果となった。NPSの導入時には担当者のスキル不足や社内調整に苦労している様子が伺え、コンサルティングなど他社からの支援を受けた企業が多いことがわかったとしている。
また、B to C企業とB to B企業ではNPS導入後に効果の感じ方に違いが見られたという。B to C企業は施策を実施しやすく、スモールスタートができるため、スコアや売上・収益など直接的な効果を感じやすい一方で、B to B企業では関連部署が多いことや売上・収益への影響要因が多岐にわたるため、すぐにビジネス成果は出にくいものの、PDCAの基盤作りや他部署との連携など、まずはNPSを活用して社内体制の整備を始めることが、後の成果につながると考えられるとしている。
また、複数の顧客接点(商品、サービス、店舗、WEBサイト、コールセンターなど)を通じて、顧客との関係性強化を図るための共通指標を設けているか尋ねたところ、58%が「指標がある」と回答した。 指標は「CS(顧客満足度、Customer Satisfaction)を導入している」との回答が多く「NPS(Net Promoter Score)を導入している」との回答は9%。これはNPSが提唱されてから日が浅いことが背景の一つであると考えられるという。 また、「NPSとCSをいずれも指標としている」という回答は7%となり、NPSを指標としている回答者の7割がCSも併用していることがわかった。(編集担当:慶尾六郎)