東芝グループが中小規模施設向けBEMS事業に本格的に参入

2012年04月06日 11:00

 東芝・東芝エレベータ・東芝ソリューション(東芝グループ)が、電力会社との契約電力が定格電力50から500kW未満の中小規模ビル施設向けのBEMS事業に本格参入すると発表。2012年度及び2013年度の2年間で1500棟分の受注を目指す。

 今回の本格参入は、東芝グループが、経済産業省が今年2月に公募した「平成23年度エネルギー管理システム導入促進事業(BEMS導入事業)」において、BEMS事業者(BEMSアグリゲータ)として採択されたことを受けたもの。本事業は、中小規模ビル施設に対してBEMS導入を促進し、エネルギー使用の効率化および電力需要の抑制を図り、BEMSアグリゲータ毎の総量で10%以上の電力使用量の削減を図ることを目的としている。

 中小規模ビル施設では、ビル内の電力監視・制御を行う専用の担当者を駐在させていない場合が多く、BEMSの導入が充分に進んでいない現状がある。これを受けた東芝グループのBEMSでは、遠隔からビル内の電力使用量を管理することを可能とし、BEMSに関する専用の担当者を置く必要がないという。また、クラウドサービスを用いた電力使用量の推移などの「見える化」機能や、消費予測電力が契約電力を超える可能性が発生した場合に顧客に知らせる「デマンド制御」機能なども備えている。

 今回、東芝グループが採択を受けた結果、ビルオーナーなどは、同社のBEMS導入時に必要な機器購入額の2分の1あるいは3分の1、工事費用については3分の1、それぞれ補助を受けることができる。

 横浜スマートシティプロジェクトにおける国内初の実証事業や、フランス・リヨン再開発地域におけるスマートコミュニティ実証事業の受託など、BEMSをはじめとしたスマートコミュニティ事業に精力的な姿勢を見せている東芝。一方で、今回のBEMS導入事業の採択を受けた企業は21社にも上る。巨大市場となりつつあるスマートコミュニティ市場において、どういった技術やシステムが導入されて我々の生活に関わってくるのかだけでなく、どの企業がイニシアティブをとってゆくのかにも注目が集まるところであろう。