GfKジャパンは、主要ハイレゾ音源配信サイトにおけるダウンロード実績に基づく「ハイレゾ音源ダウンロード市場レポート」の提供を開始した。これに伴い、ハイレゾ音源ダウンロードの市場概況を発表した。
従来のCDを超える情報量を持つ高音質音源であるハイレゾの市場規模はソフト、ハードの両面で拡大基調にある。一般社団法人日本レコード協会協力のもと、GfKが調査した「ハイレゾ音源ダウンロード市場レポート」によると、ハイレゾ音源のダウンロード配信数は、2015年では前年比108%増(2.08倍)と大きく拡大した。2016年に入っても各月で前年実績を上回って推移しており、2016年1-11月計では前年比10%増となった。アニメジャンルが市場を牽引していることに加え、J-POPなどでラインナップが増えユーザーのすそ野が広がっている。また、2016年はアルバム(まとめ買い)が好調なこともあり、平均単価が上昇。1-11月のダウンロード金額は前年比11%増と数量を上回る成長となった 。
ハイレゾ音源ダウンロード市場拡大の背景には、ハイレゾ対応オーディオ機器の普及がある。家電量販店におけるハイレゾ対応オーディオ機器の販売をみると、携帯音楽プレーヤーは2015年では数量前年比28%増、2016年1-11月も前年の水準を維持している。そして、ハイレゾ対応ヘッドホンは2015年では同148%増(2.48倍)、2016年1-11月では同53%増と拡大が続く。また、スマートフォンでも対応モデルが相次いで発売されており、ハイレゾ音源を楽しむ環境は広がりつつある。
2016年は新たに2社がハイレゾ音源の配信サービスを開始した。こうした中、業界を上げての普及活動や、ソフトとハードで連携した販促活動が活発化している。12月は例年人気アーティストの新譜リリース等より配信のピークを迎えるが、どこまでファンを取り込めるか動向が注目されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)