対応スマホやオーディオも続々登場 広がるハイレゾ音源の普及

2014年11月23日 14:47

画・対応スマホやオーディオも続々登場 広がるハイレゾ音源の普及

画像は日本オーディオ協会が発表した、ハイレゾ対応オーディオのロゴマーク。高解像度の音楽再生により、よりレコーディング時に近いきめ細やかなサウンドや、ライブの臨場感が味わえる。PCやスマートフォンとの連携を前提に作られていることも魅力だ。

 この冬、スマートフォンやオーディオの新製品で売りの1つとなっているのが、ハイレゾ(ハイレゾリューション=高解像度)対応だ。NTTドコモ<9437>は、2014冬~15春モデルのスマートフォン7機種・タブレット端末2機種をハイレゾオーディオ対応させている。オーディオ業界でも、JVCケンウッド〈6632〉がハイレゾ音源再生可能な一体型オーディオ「CLX-50」を11月下旬に発売するなど、ハイレゾ対応への動きが強まっている。

 ハイレゾ音源。名前は聞いたことがあるが、具体的には今一つどういうものか分からないという方も多いのではないだろうか。ハイレゾ音源は、CDなど従来のメディアに比べ、より高音質を実現したデジタル音源だ。

 通常のCDは44.1kHz/16bit規格で記録されたデジタル音源だが、ハイレゾは96kHz/24bitや192kHz/24bitで記録可能で、CDの3~6.5倍ものデータ記録量が可能となっている。kHzで表されるサンプリング周波数が増えることでより広範囲の音域を、bitで表される量子化ビット数が増えることでより広範囲の音量を記録できる。これにより、音の解像度が高く、より滑らかで繊細な音質とダイナミックな音圧を実現している。CD音源と聴き比べると、今まで聴こえなかった楽器の音まで聴こえると驚くことも多いようだ。

 ミュージシャン側からも、スタジオでレコーディングした生音に近い音質で届けられるということで、ハイレゾ化は歓迎されているようだ。通常のCD販売とハイレゾ音源配信を同時に行うミュージシャンや、過去の名盤のハイレゾ配信を積極的に行うインターネットサイトも増えている。

 こうした動きに呼応し、冒頭のスマートフォン、オーディオ、またイヤフォンやヘッドフォンなどで、続々とハイレゾ音源対応機種が発売されている。特に注目なのがスマートフォンの分野だろう。これまでスマートフォンなどで聴く音源は、手軽な反面どうしてもCDより音質が劣るという評価だったが、ハイレゾ対応することで、手軽にかつ高音質で楽しめるようになる。ストリーンミングサービスなどで簡単にハイレゾ音源をダウンロードし、それを対応したスマートフォンとイヤフォンにつなげば、その場ですぐに聴けてしまう。しかもそれが、家のCDで聴くよりも高音質なのだ。

 音楽配信・ダウンロードの隆盛に対し、「音質の面で劣る」という反論はハイレゾの登場・普及によって、もう通用しなくなりつつある。レコードやCDの時代とは、本格的に音楽の聴き方、手に入れ方が変わりつつあると言えるのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)