日立となど、欧州での空調ビジネス強化でフランスに新会社設立

2012年03月30日 11:00

 日立と日立APならびに日立の欧州における現地法人日立ヨーロッパ社(HEU)が、2012年4月1日付で、日立エアコンディショニングヨーロッパ社(HACE)を設立すると発表。資本金は         7.8億ユーロ で、フランスの本社を中心に、販売拠点となる支社をイギリス・アイルランド・イタリア・スペイン・ドイツに構える。

 具体的には、HEUとHEUの各国子会社(フランス、イタリア、スペイン、ドイツ)から空調機器の販売部門を切り出し新会社に統合するとともに、欧州の空調機器製造拠点である日立エアコンディショニングプロダクツ(ヨーロッパ)社を新会社の子会社とするとのこと。

 社会インフラの中で空調事業を担っている日立APでは、「地産地消」「プレミアム戦略」をコンセプトにグローバル事業を展開しており、既にインドやブラジル、中国といった新興国において製造・販売・サービスの一体運営を実現し、着実に事業規模を拡大している。今回の再編により、市場規模の大きい欧州においても製造・販売・サービスの一体運営を実現し、経営の効率化とより強固な事業基盤を構築することにより、グローバル空調事業のさらなる成長と拡大をめざすという。

 2010年時点で、欧州では空調機、暖房機ともに限界普及率の50%には達していないという。さらに暖房機は成熟市場ではあるものの、省エネ性能の高い商品へのシフトが加速化するなど、成長市場といえる状況にあるという。欧州全体の景気低迷と相対するこの加速化の波に、新会社設立という戦略はどう嵌るのであろうか。注目に値する動向であろう。