オリックスが、東和銀行との間で、事業再生支援機能の強化に関する資本・業務提携を行うことについて、基本合意書を締結したと発表。東和銀行の100%子会社で事業再生支援を手がける東和フェニックスに対して、オリックスが無議決権優先株式による10億円の出資を行うとともに、人材の派遣および経営改善・事業再生支援ノウハウなどを提供するとのこと。
オリックスは、2010年6月に東京スター銀行と、2011年1月に長野銀行とそれぞれ資本・業務提携を行い、オリックスが有する専門性や事業プラットフォームを生かした事業再生支援に取り組んでいる。今回は東和フェニックスを通じて、事業再生や事業承継などの経営課題を抱える取引先に関して、事業再生支援を積極的に図るとのこと。
中小企業金融円滑化法の施行もあり、企業再生ADR、DIP型会社更生など、様々な選択肢が考えられる事業再生。それだけに事業主側からみれば、どの方策をとることが自社にとって最良なのかが複雑で分かりにくくなっている現状にある。未だに景気回復の兆しも見えないことから、事業再生ビジネスの需要は今後も拡大し、重要性が増すことは想像に難くない。また、震災により甚大な被害を受けて未だに回復の兆しが見えない企業も少なくないであろう。目に見える形でその効果が表れるには時間がかかるかも知れない。しかし、再び日本全体が活力を取り戻すために、事業再生支援を手掛ける企業には、より一層の専門性を活かした支援の拡充を期待したい。