トヨタ、UAEと共同で「水素利用の可能性を探る」実証実験を現地でスタート

2017年01月20日 08:17

Toyota VS Hydrogen

トヨタ、UAEと共同で、持続可能な低炭素社会づくりに向けた水素利用の可能性を探る。高温となる現地気候下におけるFCVの走行試験や水素充填などについて試験を行なう

 先般、再生可能エネルギーの最右翼として注目されている「水素」を活用するため、トヨタ自動車やダイムラーなどの世界的な大企業13社で構成した「Hydrogen Council(水素協議会)」が、発足したニュースを伝えた。この「Hydrogen Council」は、水素を活用するビジョンと長期的な目標を協力して提唱するグローバル・イニシアチブだ。「Hydrogen Council」は水素を将来のエネルギー移行に向けたひとつの主要な“最適解”と位置づけて、この活動をスタートさせた。

 一方で、すでに乗用車やバス、フォークリフトなどの燃料電池自動車を開発したトヨタは、アラブ首長国連邦(UAE)において持続可能な低炭素社会づくりに向けた水素利用の可能性を探るため、アラブ首長国連邦のマスダール社、アブダビ国営石油会社(ADNOC)、エア・リキード社、トヨタの現地ディストリビューターであるアルフタイム・モータース社とともに、共同研究を行うことで合意した。また、その研究活動の一環として、今年5月からトヨタの燃料電池車(FCV)MIRAI(ミライ)を使用した現地での走行・充填などに関する実証実験を開始すると発表した。

 今回の合意は、1月16日にアブダビ・サスティナビリティ・ウィーク開幕日に開催したオープニングイベント「アブダビ・グローバル・アクション・デー」で発表された合意文書で、今後、水素製造、物流、スケールの拡大、事業成立性といったさまざまな課題に対する研究を共同で進めていくとしている。また、本年5月に設置する予定の水素ステーションを使用し、高温となる現地気候下におけるFCVの走行試験や水素充填などについて試験を行なう。また、UAEの政府関係者やオピニオンリーダーへの短期的なリースなどをとおして、FCVや水素社会への理解促進を図っていく考えだ。

 UAEは、石油精製所で既存の水素製造設備に余剰能力があり、苛性ソーダ工場などにおける副産物としての水素の活用、またメガソーラー・パワーステーションの活用により、豊富な水素製造を行なうための潜在力がある。UAE政府のイニシアチブのもと、水素社会づくりを推進することで、UAEが次世代クリーンエネルギーのリーダーとなる可能性がある。

 産油国で原油生産が基幹産業のUAE政府は現在、国家ビジョンである「UAE Vision 2021」を掲げ、大気汚染の改善、クリーンエネルギーの利用拡大、インフラクオリティ世界一などを目指すプロジェクトを進めている。今回の共同研究で、UAEの国家プロジェクトであるゼロ・エミッションを目指して建設が進んでいる環境未来都市「マスダール・シティ」にて、今後の水素活用の可能性を探る目的もある。

 マスダール社のモハメド・アルラマヒCEOは「トヨタは自動車のクリーンテクノロジーで最も革新的な企業のひとつであり、とともに共同研究を進められることを嬉しく思う。水素の活用は、2050年までに低炭素エネルギー比率を50%とするUAEの目標にも貢献することができる」と述べたという。(編集担当:吉田恒)