ＮＥＣが、モバイル通信システムのオフショア開発を行う、ＮＥＣモバイルネットワークエクセレンスセンター（ＮＭＥＣ）をインドに設立すると発表。主にグローバル向け主力製品である超小型マイクロ波通信システム「ＰＡＳＯＬＩＮＫ」シリーズの一部のハードウェア及びソフトウェアの開発を行う。
ＮＥＣはすでに、インド・チェンナイ近郊の経済特区内にて、ＰＡＳＯＬＩＮＫシリーズ製品の生産開始を決定しており、６月より出荷を開始する予定となっている。今回のＮＭＥＣ設立を通じて、市場拡大が見込まれるインドにおいて、インドの開発パートナーとの連携をさらに深めると共に、インドの人材採用を進めグローバルな開発体制構築を行うという。
北海道地域におけるクラウドサービスの提供環境の強化を目的とした「ＮＥＣ北海道データセンター」を設立し、４月からサービスの提供を開始するなど、積極的な事業展開を行っているＮＥＣ。しかし一方で、海外市場での投資抑制やタイでの洪水の影響により、２０１１年度通期では１０００億円の損失が見込まれている。こういった状況を受けて、すでに国内１００００人の人員削減計画を決めており、２７日には、従業員約１６０００人の月給を４月から１２月まで４％削減する人件費削減策について労使間合意をするなど、業績の立て直しに追われている。今回の設立により、モバイル通信システムのさらなる開発効率化及びタイムリーな製品投入を図り、競争力ある製品を全世界市場に供給していくというＮＥＣであるが、どれほどの業績回復を見せることが出来るであろうか。４月以降の動向に注目が集まるところである。
