日立製作所が、岡崎信用金庫と共同で新ATM現金管理システムを開発したと発表。新システムは、岡崎信用金庫の各店舗にて順次稼働し、2012年4月上旬までに、全95本支店(出張所除く)において適用される予定とのこと。
従来、岡崎信用金庫では、現金精査業務を実際のATMを開閉して手作業で実施していたため、ATM1台あたり1回で40分程度の時間を要していた。それが今回共同で開発された新システムでは、ATMの稼働時間前にリモート現金精査を実施することで職員が立ち会う必要がなくなり、コスト削減・業務効率化が可能となる。また、本部側の指示で精査を実施するだけでなく、従来の支店内での精査機能もあり、柔軟な運用ができるという。
さらに、各支店のATMが稼働する前に本部で決めたスケジュールで精査を行うため、職員のコンプライアンスが向上。また、本部側で精査履歴を参照することで各支店の精査状況を把握することができ、精査実施有無や精査内容履歴を含め厳格に管理できるシステムとなっている。加えて、本部の指示のもと各ATMの情報や精査実施のスケジュール登録作業、システムの保守作業などを日立側で実施できるため、運用管理の負荷軽減が可能であるという。
今後、日立は、今回開発した新ATM現金管理システムを、他の金融機関にも提供していくという。
ATM利用の際に、利用者が負担する数々の手数料。ATM機の維持管理費がその根拠の一つと言われる。金融機関や利用額・利用時間帯によってその額は異なり、一部無料化も進められているが、未だ利用者にとってその負担は無視できない状況にある。今回の新システムのような、維持管理費の軽減を実現する施策が浸透すれば、この手数料の低減が実現するのではないだろうか。金融機関でのシステム向上が、利用者へと還元されることを願いたい。