社会民主党の又市征治幹事長は政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が公表した論点整理に対し24日までに「皇室典範の改正や特別法の制定などの法形式の是非には踏み込まなかったものの、一代限りとする案の利点を多く記述するなど特別法の優位性が強調され、安倍政権が目指す方向を後押しするもの」との談話を発表した。
そのうえで「憲法第一条は『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く』としている。多くの世論調査では『皇室典範の改正』を求める声が大多数であり、特別法は、国民の総意とかなり隔たりがある」と指摘。
また「憲法第二条では『皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する』とある。一代限りの特別法ではなく、恒久的な制度とするべく皇室典範を改正するのが正当である」と提起した。
また、又市幹事長は「世論を誘導するかのように、退位や改元の時期、退位後の天皇の名称、秋篠宮の待遇などの情報が既定方針のように流されていることは、極めて問題である。天皇の地位が『主権の存する日本国民の総意に基く』以上、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するとされている国会が、国民とともに、自発的な取組みとして幅広い観点で議論を深め、国民の理解を得ていくよう与野党が協力して法制化するべきである。国会として政府方針を追認するようでは問題であるし、恣意的な有識者会議の議論に基づき、政府が先行することも許されない」と多くの国民が理解できるところに決着するよう、与野党が協力して法制化するべきとしている。
有識者会議も今後の検討の方向として「有識者会議においては論点整理に対する国会や世論の動向等も参考にしながら、更に議論を深めていく必要がある」とするとともに「その際には、長寿社会に的確に対応するための医学的見地からの検討も必要であり、さらに、退位後のお立場や称号、御活動のあり方など、その他の課題についても検討する必要がある」とし、国会や世論の動向を踏まえた議論をしていく姿勢を当然ながら盛り込んでいる。(編集担当:森高龍二)