「皇室典範改正に落ち着くのが自然では」野田氏

2017年01月16日 17:43

 民進党の野田佳彦幹事長は16日、天皇の生前退位について、民進党として皇室典範を改正し行うべきとしている根拠について記者団に答え「陛下のお言葉は、陛下の特別な事情で発信されたのでは決してないと思う。(それは)皇位の安定的な継承を望まれている。その思いでお話をされていると思う」と述べ「生前退位の制度を設けるなら特別法(特例法)ではなく、皇室典範改正というところに落ち着くのが自然ではないか」と語った。

野田幹事長は「天皇陛下のお言葉の一番結びのところに『国民の理解を切に期待する』としておられる」と語り、「陛下は皇太子殿下であられる時から『象徴天皇』というものの在り方を考えられ、そして、即位されて29年目に入られるが、全身全霊をもって象徴天皇としてのおつとめを果たされてきた。その陛下のお気持ちというか、覚悟というか、そういうものを忖度するのは、これからの制度をつくっていくうえで基本中の基本だ」とした。

 また野田幹事長は「国民の総意に基づくところの象徴天皇なので、国民の世論も踏まえ、自然の国民の感情などを踏まえると、天皇の退位を実現できるようにするということ、その制度論としては、陛下の特別な事情で発信されたのでは決してなく、皇位の安定的な継承を望まれている。その思いでお話をされていると思う」とした。

 生前退位を検討している政府の有識者会議は23日に「特例法」で今の天皇一代に限って退位を認める考えを示す模様で、特例法で、一代限り認めるのか、皇室典範改正により皇位の安定的な継承を図るための制度として生前退位を創設するのか、国会の場でも静かに議論が進んでいくことが期待されている。(編集担当:森高龍二)