福島廃炉、費用は東電も廃炉は国プロジェクトで

2017年02月05日 07:53

 菅直人元総理は東京電力福島第一原発の廃炉について、国民の安全の視点から「廃炉費用は東電も、廃炉は国家プロジェクトで取り組むべき」とブログ発信した。

 東京電力が福島第一原発2号機の圧力容器下方外側で放射線量が毎時530シーベルトと推定されると今月に発表したことに菅元総理は「人が近づけば1分足らずで死ぬ線量だ」とし「運転中の原子炉の炉心である圧力容器内の放射線量が圧力容器の外で観測されたということは何を意味するのか。2号機が今でも極めて危険な状態にあるということではないか」と強い懸念を書いた。

 そのうえで菅元総理は「事故を起こした福島第一原発のデブリを取り出して廃炉にし、更地に戻すことは極めて困難」との見方を示し「チェルノブイリでも30年経過してもデブリは取り出せず、放射能漏れを防ぐために巨大な金属製のドームで原発全体を覆って見守るという。福島第一も(デプリを取り出せずに)同様な可能性が高い」と危惧。

 「福島第一原発の廃炉費用は東電が負担するとしても、東電だけに任せるのではなく、国民の安全を第一に『国家プロジェクトとして』長期的視点から取り組むべき」と提起した。

 4日のブログでは「本来原発内の核燃料は5重の層で外界から隔離されているといわれるが、2号機の核燃料デブリは外界から格納容器で遮断されているだけ」と指摘し「その格納容器も汚染水が漏れ出しており、穴が開いていることは明らか」と書いた。

 そのうえで「高い放射能を持った物質が格納容器の外に漏れだせば、広範囲での再度の避難が必要となる。事故は収束していない。安倍総理はアンダーコントロールと言い続けているが、事実は全く違う。国民をだましているのだ」と福島第一原発が深刻な状況に置かれ続けていることを発信した。(編集担当:森高龍二)