汚染水「海洋生物にも影響」の指摘に、総理反論

2017年01月26日 08:33

 自由党の山本太郎共同代表は25日の参院本会議で、東京電力福島第一原発事故での汚染水問題について、昨年初め静岡県沼津市の漁港で水揚げされたアオザメから基準値の7倍のセシウムが検出されるなど、汚染水の影響は明らかに海洋生物にもみられると追求した。これに安倍晋三総理は「汚染水の状況はコントロールされているとの認識に変わりない」と強く反論した。

 山本議員は安倍総理がブエノスアイレスで発言した「福島原発事故による汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内でブロックされているとしたが、この考えで間違いないか」と質した。

 また山本議員は「海では潮の満ち引き・潮の流れなどがあり、港湾内の水がブロックされること事態があり得ない」と指摘。

 そのうえで「8日間で99%、港湾内と港湾外の水は入れ替わる。大量の海水でゆっくり希釈された結果、港湾外に出た汚染水の数値は低く見えるものの、垂れ流される汚染水の総量にかわりはない。昨年初め、静岡県・沼津市の漁港で水揚げされたアオザメから基準値の7倍のセシウムが検出された。汚染水の影響は明らかに海洋生物にもみられる」と指摘した。

 これに安倍総理は「港湾外と港湾内の水の一定の入れ替わりはあるが、港湾外の放射性物質濃度は法令に定める基準値に比べて、十分に低いままになっている」と強く反論し「汚染水の影響は福島第一原発の港湾内に完全にブロックされており、状況はコントロールされているとの認識に変わりない」と主張した。(編集担当:森高龍二)