富士通グループが、東日本SE会社4社、西日本SE会社6社をそれぞれ統合し、2012年4月1日をもって「株式会社富士通システムズ・イースト」および「株式会社富士通システムズ・ウエスト」として新たに発足させると発表。富士通グループにおける地域SE部門として、富士通九州システムズとともに、東日本・西日本・九州の3地域を中心とした富士通グループのソリューション/SIビジネスの中核を担う。
東日本においては、富士通システムソリューションズが存続会社となり、富士通北海道システムズ、富士通東北システムズ、富士通長野システムエンジニアリングの3社と統合する形で「株式会社富士通システムズ・イースト」が発足。西日本においては、富士通関西システムズが存続会社となり、富士通中部システムズ、富士通中国システムズ、富士通岡山システムエンジニアリング、富士通四国システムズ、富士通西日本アプリケーションズの5社と統合させて「株式会社富士通システムズ・ウエスト」を発足させるという。
今回の再編・統合により、これまでに地域SE会社各社に分散していた経営資源・ノウハウを富士通グループとして集約し、リソースの有効活用や開発投資の効率化に繋げる。その上で、クラウドなどのサービスビジネスへの対応強化やグローバル化の加速を図るとともに地域ビジネス拡大に向けた競争力を強化し、富士通グループとしてこれまで以上にお客様ビジネスの発展に貢献できるSE体制を構築していくとのこと。
情報サービス産業の売上高は平成21年にはソフトウェア開発の15兆636億円と情報処理の5兆1628億円を合わせ21兆4953億円であるという。スマートフォンやタブレット端末の普及もあって、この傾向は今後も続くであろう。しかし、SE業界は業界の構造がピラミッド構造となっており、大きな仕事は大手企業が受注して、そこから2次請け、3字請け、4字請けなどを経て中小零細企業が実作業を行う形となっている。現在では、十分な技術力を持ちながら人件費の安いインドや中国に外注をだす大企業も増えており、日本の大多数のSE企業は厳しい状況下に置かれている。1000億円以上の売り上げ目標を掲げて発足する新会社は、日本のSE業界を底上げに貢献することが出来るであろうか。