メーカー各社が独自のこだわりを見せる、缶コーヒーの製法

2012年03月21日 11:00

 飲料メーカー各社が独自ブランドを確立し、数多くの商品をラインナップしている缶コーヒー。味や香り等にこだわりのあるものから、無糖・カロリーゼロ・カフェインレス・濃い味など、流行を取り入れたものまで、その種類は多岐にわたっている。コーヒー豆などの選定はもとより、各社独自の製法を開発し、より美味しい缶コーヒーを日々追求している。

 その製法へのこだわりが端的に商品名へと表れているのが、キリンビバレッジのファイアであろう。直火仕上げにこだわりを持つ同商品は、それだけでなく、ネルを使わないストレート抽出を採用することで香りが従来の1.3倍にもなっているという。さらに「ファイア カフェインゼロ」や「ブラック」などでは、ディープボディ製法と呼ばれる製法を採用。焙煎して粉砕した豆を水に入れ、長時間かけて煮沸。出てきた蒸気(味わい成分)を冷却して液化したものを、従来通りに抽出したものに加えて力強い味わいを実現している。

 世界で最初に缶コーヒーを発売したUCC上島珈琲では、特許取得の製法を駆使した商品を展開。TTND製法では、ドリップ時の湯の温度をあえて変化させ、低い温度では香りを、高い温度ではコクを引き出し、さらに非加圧とすることで雑味も抑制している。その他にも、焙煎後の豆をマイナス2℃で急速冷凍するアロマフリージング製法や、包装ラインを完全密封してパッケージングするスーパーアロマ製法など、香りや味わいのへのこだわりを実現するアイデアが特許製法という形となっている。

 ポッカコーポレーションでは香りにこだわった製法を開発。曳いた豆に熱湯をかけて抽出する際に出る蒸気も逃がさず集め、抽出されたコーヒーに還元。香りを変化させる酸素を除去する脱酸素製法と合わせて、淹れたての味わいを再現している。

 また、ダイドードリンコが昨年9月から販売している「デミタスサファイア BLACK[無糖]」では、サファイアドロップ製法を採用。浅煎りと深煎りに焼き分け丁寧に抽出することで甘く華やかな香りと深みのあるコクを次第現に引き出し、幾重にも折り重なったネルろ過を採用することで、徹底的に雑味を排除した上質でクリアなコーヒーに仕上げている。さらに、4月9日から発売される「ダイドーアクアプレッソ[微糖]」では、同社で初となる低温・高圧によるエスプレッソ抽出方式を採用した「水出しエスプレッソ抽出製法」で、キレ味冴える味わいの微糖コーヒーを実現している。

 様々な製法が駆使されている缶コーヒー。もはや、自宅でドリップしたものや喫茶店等専門店の代替品ではない、一つのジャンルを確立したと言えるであろう。「缶コーヒーなんて」と思わずに色々と試してみると、お気に入りに商品に遭遇するかもしれない。