菅義偉官房長官は28日の記者会見で、テロ等準備罪の創設について「政府としては今国会への法案提出を目指し作業を進めている。提出できれば今国会での成立を目指す」と語った。
法案は現在、政府と与党の協議段階に入っている。菅官房長官は「主体を一定の犯罪を起こすことを目的とした集団に限定し、テロ等の準備行為があって初めて処罰の対象とする『テロ等準備罪』とする」とした。
そのうえで「一般の方が対象になることはあり得ないということが明確になるよう、最終的な詰めを行っている」と説明。
菅官房長官は「従前の『共謀罪』とは別物であり、対象とする犯罪の絞り込みについても、条約との関係でギリギリの調整を行っている」と強調。「3年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックに向けて、テロを含む組織犯罪を防止するため、万全の態勢を整えていくことが必要と政府としては認識している」と語った。
同じ与党の公明党の部会では「現行法で対応できるのではないか」との意見がでていることについて菅官房長官は「だから、法案について、政府として、与党と協議している」として「国会に法案提出するときには、そうした面を明確にして提出したい」とした。ただ共謀罪とどこが違うのか、未だに運用面での懸念が強く、民進党、共産党、社民党など野党は創設の必要性そのものに疑問をあげているほか、法案提出にも反対している。国会での慎重、丁寧な議論が強く求められている。(編集担当:森高龍二)