来年度予算案衆院通過、論戦の舞台は参院へ

2017年02月28日 07:58

 一般会計総額97兆4547億円規模の政府の来年度予算案が27日、自民、公明などの賛成多数で衆院を通過、参院に送付された。これにより、参院の議決を経なくても3月28日には自然成立することとなり、来年度予算の年度内成立が事実上、決まった。

 ただ、審議がされればされるほど不可解な国有地払い下げをめぐる問題(学校法人「森友学園」への大阪府豊中市の国有地払い下げをめぐる質疑)や文部科学省による組織ぐるみの再就職あっせん(天下り)問題、南スーダンPKO活動にかかる現地自衛隊の「日報」をめぐる問題、共謀罪と本質が変わらなくなりつつあることが浮き彫りにされつつある「テロ等準備罪」にかかる問題など、審議が尽くされない中での予算案採決となり、これら諸々の問題を巡る論戦の舞台も参議院へ移ることになった。

 社会民主党の又市征治幹事長は27日、「数の力による本日の採決は疑惑隠し・追及封じに他ならない」と批判する談話を発表した。

 又市幹事長は「社会保障の自然増を1400億円も圧縮し、医療・介護の負担を増加させる一方で、防衛費を膨張させ質量ともに軍拡を進めるなど、安倍カラーが顕著な予算案」と反対理由にあげた。

 又市幹事長は「論戦の舞台は参議院に移るが、引き続き、森友学園への国有地不当払い下げや文部科学省天下り問題、南スーダンPKO日報問題、共謀罪問題などの徹底追及・解明に全力を挙げる。あわせて2017年度予算案の問題点を徹底的に追及する」としており、野党がどこまで問題を解明できるかが注目される。(編集担当:森高龍二)