京都・花灯路を照らす、最先端のLEDの灯り

2012年03月12日 11:00

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東山地域において開催されている京都・花灯路。その5kmにわたる散策路に並ぶ約2500基の露地行灯すべてに、地元企業であるロームが独自の光学設計技術や電源内蔵技術などを駆使し、業界最高の配光角180度を達成した小型LED電球を提供している。

 1200年余もの歴史を持ち、四季折々に独特の美しい景観を見せる古都・京都。世界文化遺産をはじめ数多くの優れた伝統・文化を有し、平成22年の府内観光入込客数は約7674万人、外国人宿泊客数は約100万人となるなど、言わずと知れた国際文化観光都市である。中でも京都市内は、オール京都による取り組みや、国のビジット・ジャパン・キャンペーンと連携した積極的な誘致が功を奏し、着実のその客数を伸ばしている。

 「灯り」をテーマとし、平成15年3月から東山地域において開催されている「京都・花灯路」もそんな取り組みの一つである。京都を代表する寺院・神社などの歴史的な文化遺産や町並みを、露地行灯の灯りと花で演出。平成17年12月からは嵯峨・嵐山地域においても実施しており、京都の新しい風物詩として定着し始めているイベントである。今年も3月10日から20日まで東山で開催されるこの「京都・花灯路」であるが、10周年を迎える今回は、様々な新しい試みが実現している。

 今回実現した試みの中で一番の注目は、花灯路の核とも言える露地行灯のLED化であろう。時代の流れもあり、京都・花灯路推進協議会は、行灯に使用する電球のLED化を以前から検討していた。しかし、一般的なサイズのE26口金のLED電球は市場でも広配光のものが充実しているものの、行灯に使われる小型サイズのミニクリプトン球(E17口金)のLED化には電源部の小型化など課題も多く、行灯に適した製品が皆無であった。

 そんな中、地元・京都の半導体メーカーのロームが協力し、独自の光学設計技術や電源内蔵技術などを駆使して業界最高の配光角180度を達成した小型LED電球を開発。5kmにわたる散策路に並ぶ約2500基の露地行灯すべてに同LED電球を提供した。配光角もさることながら、行灯にふさわしい温かみのある上質な光を実現しており、今まで以上に華やかで情緒あふれる灯りが京都・東山の夜を彩っている。もちろんLED化により、電気代は従来の1/6、寿命は20倍となり、環境にもやさしいイベントとなった。

 独特の美しい自然景観や悠久の歴史に裏打ちされた町並みを、地元企業の最先端技術がさらに映えたものへと昇華する。まさにオール京都というに相応しいイベントであろう。行灯があしらわれた記念グッズが販売されたり、花灯路や東山にまつわるクイズラリーも開催されたりと、町並みを見ること以外の楽しみ方も数々用意されている。最先端技術が演出する古都・京都を体感しに、足を運んでみては如何であろうか。伝統と最先端が調和した町並みに、日常の疲れやストレスが癒されることは間違いないであろう。