飲料受託製造市場 6830億円規模に

2012年03月09日 11:00

 矢野経済研究所が2010年度の飲料受託製造市場規模をまとめた結果、6830億円となり、前年度に比べ2.6%伸びた。夏場の猛暑が飲料市場を拡大したのに連動したとしている。

 その上で、同研究所は今後の飲料受託製造市場について「飲料受託製造事業者は飲料市場の調整弁的な役割を強いられてきたが、今後はさらに多品種少量生産への対応、商品開発提案を含めた地場PB商品製造、特殊な飲料製品への対応などが求められるうえ、大手飲料メーカー並みの低コストの実現、食の安心・安全への配慮、新容器への対応などまで求められる」として、一層の企業努力の必要を示した。

 その一方「震災の影響で製造拠点を集中するリスクが浮上したことから、飲料メーカーのこれまでの内製化の動きが鈍り、拠点分散に転じれば、飲料受託製造事業者への受託比率が再び拡大する可能性もある」と飲料メーカーのリスク分散対策が飲料受託製造事業者にとってプラスに働くと予測している。(編集担当:福角忠夫)