軽自動車を超えられるか、,HV・PHV・EV市場

2012年03月05日 11:00

 エコカー減税が復活し、にわかに活気づく自動車業界。ハイブリッドカーが目新しいものではなくなった現在、近年発売されだしたプラグインハイブリッドカーや電気自動車はどれだけの市場を確保できるのであろうか。

 先日、富士経済が発表した「HV、PHV、EV市場調査」によると、ハイブリッドカーの2012年販売台数予測は138万台、2012年・2013年と各社が新型車種の投入を予定しており、先進国を中心に市場は順調に拡大していく見通しであるという。今年1月の車種別新車販売台数でも、ハイブリッドカーであるプリウスとフィットのみが2万台を超え、1位2位を独占している。

 一方、プラグインハイブリッドカーは2012年販売台数予測で5万台。量産化が進むのは2015年頃からとみられ、各メーカーがハイブリッドカーからプラグインハイブリッドカーへと注力を移行していくこともあり、市場が本格的に拡大していく見通しであるという。しかし、電気自動車の2012年販売台数予測は7万台と、プラグインハイブリッドカーの販売予測を上回っている。日産リーフなど、市販されている電気自動車は大々的に宣伝されているものの、今年1月の新車販売台数では上位20台にも入っておらず、オートックワンが発表している2月度の新車見積依頼ランキングでも上位にランキングされていない。充電設備などのインフラや走行距離など、課題も多い電気自動車なだけに、本年中にプラグインハイブリッドカーを上回る販売台数を記録出来るのか、メーカー各社の動向が気になるところである。

 1月度の新車販売台数上位10位の内、プリウスやフィットなど4種のハイブリッドカー以外は、全て軽自動車である。低価格なだけでなく、低燃費化が益々すすむなど維持費も安く、その需要は依然として高い。ハイブリッドカーなどの次世代自動車がスタンダードとなることは予想に難くないが、軽自動車の牙城を崩すことは容易でないであろう。自動車離れが進んでいる日本において、その牙城を崩してプラグインハイブリッドカーや電気自動車がどれだけの市場となるのか。メーカー各社の事業戦略に注目したい。