韓国の文在寅大統領と早期に会談したい 総理

2017年05月10日 16:30

 安倍晋三総理は9日、韓国の第19代大統領に文在寅(ムン・ジェイン)氏=革新系最大野党・共に民主党=が選ばれたことに「日韓関係は長年にわたって日韓両国の関係者が営々と努力し、友好関係を築いてきた賜物である」としたうえで「今後、文在寅次期大統領と共に手を携えて、未来志向の日韓関係を幅広い分野において発展させていきたい」とのコメントを発表した。

 また「北朝鮮問題への対応をはじめ、日韓両国は共通の課題に直面しており、両国が協力することにより地域の平和と繁栄に一層貢献できると考えている」とし「出来るだけ早い機会に文在寅次期大統領にお目にかかり、共通の関心事項について率直に意見交換できることを楽しみにしている」と首脳会談をできるだけ早期に実現したい意向を示した。文在寅氏は64歳。10日、大統領としての仕事を開始した。任期は5年。

韓国・聯合ニュースは日韓関係について「関係強化の好材料と悪材料が共存している」と伝えた。「北朝鮮の核実験や相次ぐ弾道ミサイルの発射を巡っては両国の協力が必要であり、文新政権と安倍政権との連携のきっかけになるとみられる」と北朝鮮問題が皮肉にも関係強化の好材料になっている。一方、慰安婦問題は悪材料として取り上げられ「文氏は政権交代すれば日韓両国政府の合意が拙速に行われた経緯をきちんと究明しなければならないと述べた」と指摘している。

 また、聯合ニュースは「歴史教科書の独島(日本名は竹島)挑発、外交・防衛白書での独島領有権の主張、戦争可能な国家にするための安倍首相による改憲の動きなど、悪材料も多い」と報じた。(編集担当:森高龍二)