慰安婦白書の刊行計画「韓国政府事実上の撤回」

2017年05月06日 05:50

 慰安婦を巡る問題で、一昨年末に日韓両国政府で「最終的、不可逆的解決へ」合意をみたが、韓国政府は2014年から進めてきた「慰安婦白書」の刊行を見送る措置をとった。

 韓国政府は4日、旧日本軍の慰安婦問題を巡る韓国政府の政策と措置、国内外の研究成果をまとめたものを民間の研究報告書(日本軍慰安婦被害者問題に関する報告書)として発刊。韓国・聯合ニュースは「慰安婦をめぐる研究の慰安婦白書刊行計画は事実上撤回されたことになる」と報じた。「白書を英語や日本語、中国語などに翻訳する計画も白紙に戻る」。

 民間の報告書では「旧日本軍の慰安婦制度全般に関する歴史的な事実と被害の実態、韓国・日本政府の対応、韓国政府と市民社会による問題解決への努力、国際社会の認識などを盛り込んでいる」ほか「国内外のさまざまな資料も整理している」という。

 また報告書は「(慰安婦が)業者による動員だったとしても、日本軍の官憲が要請したとし『公権力にその最終的な責任があるという事実を否定することはできない』と指摘。日本の軍と政府の加害行為は国際条約に違反し、国際法上の戦争犯罪、人道に対する罪にあたると説明した」と記述されていることも伝えた。(編集担当:森高龍二)