天皇の退位等に関する皇室典範特例法が9日、参院本会議で自由党を除く全会一致で可決、成立した。退位後、陛下は「上皇」、皇后は「上皇后」となる。政府は来年12月下旬に退位と皇太子さまの天皇即位を実現させ、翌年から「新元号」をスタートさせたい意向。
安倍晋三総理は法の成立を受けて「本法の重要性に鑑み、衆参両院の議長、副議長に御尽力をいただき、また、各会派の皆様の御協力をいただき、静謐(せいひつ)な環境の中で速やかに成立させていただいたことに対し感謝申し上げ、改めて敬意を表したい」と語った。
そのうえで「光格天皇以来、実に200年ぶりに退位を実現するものであり、この問題が国家の基本、そして長い歴史、未来に関わる重要な課題であることを改めて実感いたしました。政府としては、国会における御議論、そして委員会の附帯決議を尊重しながら、遺漏なきよう、しっかりと施行に向けて準備を進めていきたい」とした。
また安倍総理は「安定的な皇位継承は非常に重要な課題」とし、女性宮家の創設を検討することなどが盛り込まれた付帯決議について「政府としては附帯決議を尊重して検討を進めていく」との考えを述べた。(編集担当:森高龍二)