「退位一代限りでも皇室典範改正が必要」石破氏

2017年02月21日 08:06

 天皇陛下の退位に関する法整備について20日、衆参両院の正副議長が各会派に意見陳述を求めたのに対し、自民党の高村正彦副総裁は「現在の陛下一代に限り退位を特別立法で認めるべき」との党としての見解を伝えた。

 しかし自民党重鎮のひとり、石破茂前国務大臣は「特別立法による一代限りのものか、皇室典範改正による恒久制度創設か」では民進党、日本共産党、自由党、社会民主党と同じ「皇室典範で恒久制度として定めるべき」との意思を先月末、意見書にまとめ党懇談会に提出している。

 石破茂前国務大臣は憲法第2条に「皇位は、・・・国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあり、「皇位継承に関わる事柄は皇室典範によるべきものであり、皇室典範を改正しないままに生前退位を可能にすることは、憲法に抵触する恐れが極めて大きい」と危惧。

 また特別法で対応したとしても「皇室典範8条」に「皇嗣たる皇弟を皇太弟という」という一文を付加するか、全文を「皇位継承順位第1位の皇族を皇嗣とし、皇太子とする」と改めることが必要となると指摘。「陛下一代限りの場合でも、皇室典範の改正は行われければならない」と述べている。

 石破前国務大臣は「国民の総意を体現するには、衆参のすべての議員が出席し、全会一致が望ましい。定足数をみたす出席議員の過半数で可決・成立すればよいというものではない」と数の力で通す性質のものでないことを強く訴えている。

 民進党の野田佳彦幹事長は同日の意見陳述後の会見で「各党間で全体会議を何回か行って、お互いの党の意見に真摯に耳を傾けて疑問をぶつけあい、成案を得るような場が必要なので、全体会議の場を積極的につくってほしいと求めた。大島理森衆院議長からは『そういう運びでいきたい』との話があった」とした。(編集担当:森高龍二)