学校法人加計学園（岡山市）の大学への獣医学部新設を巡り、同学園の獣医学部創設が前提で思われる内容も含め、萩生田光一内閣官房副長官の発言概要とされる文書について、松野博一文部科学大臣は２０日の記者会見で、この文書の存在を確認したと発表した。
前夜のＮＨＫニュース番組で、新たな文書を入手したとし、詳細を伝えていた。今回、松野文科大臣が存在を確認したと発表したのは、この文書。文書は文科省内の複数の担当者が共有していたとし、文書は「２８年１０月２１日」付けで、「荻生田副長官ご発言概要」となっている。
文書には「総理は『平成３０年４月開学』とおしりを切っていた。工期は２４ヶ月でやる。今年１１月には方針を決めたいとのことだった」「何が問題なのか書き出して欲しい。その上で、渡邊加計学園事務局長を浅野課長のところにいかせる」などの記述があり、実際の流れと整合性が取れる内容だった。
松野文科大臣は昨年１０月２１日に同省高等教育局長が荻生田氏に懸案事項を説明し、同省の担当職員が萩生田氏と局長とのやり取りを聞き、他の情報を加味して、個人的にメモとして作成したものとしている。
萩生田氏はこの文書に対してのＮＨＫの取材に文書で回答し「加計学園に関連して、私は総理から如何なる指示も受けたことはないし、具体的に総理から開学の時期について指示があったとは聞いていないし、私の方からも文科省に対して指示をしていない」と内容を全面否定している。記述内容が加計学園に決定する以前の段階のものだけに、疑惑解明には、前川喜平・前文部科学自見次官とともに、萩生田氏の証人喚問が避けて通れない状況になってきた。（編集担当：森高龍二）
