パイオニア<6773>が、国内グループ会社を含めて約800人の削減を実施すると発表するなど、大きな構造的変化に揺れているカーエレクトロニクス市場。そんなカーエレクトロニクス市場の一端を担っているのが、カーナビゲーションシステムであろう。そして、そのカーナビゲーションシステムに欠かせないのが、デジタル地図DB(電子地図)である。このデジタル地図DB(電子地図)市場に関し、矢野経済研究所が調査結果を発表した。
同調査によると2011年度のデジタル地図DB(電子地図)市場規模(ベンダ出荷額ベース)は536億円、2012年度も横ばいの536億円が見込まれるという。
同市場の約4割を占めるカーナビ/PND(Personal Navigation Device)分野が2009年度以降ナビゲーション端末自体の出荷が微減推移。次いで約3割を占めるGIS分野がほぼ横ばい推移しているという。一方、Webサイト/ケータイサイト向け配信・データ提供分野は急成長しており、2009年度は107億円であった市場規模は2012年度には155億円が見込まれるという。
GIS(地理情報システム)分野の市場規模も、2009年度は160億6000万円であったものが、2011年度には167億円となっており、微増傾向にある。微増・急成長している市場がある一方で、縮小傾向にある市場は微減・横ばい程度である。にも関わらず、市場全体としては横ばい止まりと予測されている。微減・横ばいとされる市場においても、縮小が想像以上に加速するということであろう。今は横ばいのカーナビ市場も、スマートフォンやタブレット端末に代替されてしまい市場縮小へと向かうと見られる。この市場は今後、デバイスが取って代わるだけで市場規模自体の変化はあまり見られないのかもしれない。(編集担当:井畑学)