「加計学園ありき」で獣医学部の新設が進んだのではないかとの疑惑を調査している民進党の調査チームは３日の会合で、内閣府が今治市提案の加計学園を事業者に選定する際、審査基準を設けずに審査し、審査プロセスや審査結果にかかわる記録も全く残していないことが明らかになった。
出席議員からは「記録がないとは滅茶苦茶な行政手続きだ。国家公務員法違反ではないか」との指摘もあった。調査チームは、今後、関係省庁からのヒアリングに加え、竹中平蔵氏ら国家戦略特区諮問会議の有識者議員らにも説明を求める。
３日のヒアリングで出席議員から、内閣府が石破４条件と別に、京都市（京都産業大）と今治市（加計学園・岡山理科大）の比較の際（１）専任教員の確保（２）地域との連携（３）水際対策の観点から検討したと説明してきたことを受け、どのような審査基準で選定したのか、審査基準などについて質した。
これに内閣府の担当者は「わずか２カ月で判断したため、それぞれの提案書を見比べた」とし「提案書以外のものは作っていない。頂いた提案書が比較の資料」としたうえ、審査基準、審査プロセス、審査結果にかかわる一切の記録がないという異常な事態になっていることが明らかになった。
調査チームは「審査基準を設けずに審査し、審査プロセス、審査結果にかかわる記録も全く残していない。違法な行政手続きが行われたのではないかとの疑念が一層深まった」として引き続き調査を進める。（編集担当：森高龍二）
