疑惑晴らすまで夏の人事行うべきでないと釘刺す

2017年07月03日 15:47

 野田佳彦前総理は3日、幹部人事を一元管理している内閣人事局長が、加計学園への獣医学部新設を巡る疑惑の渦中にある萩生田光一内閣官房副長官であることから「加計疑惑で、真実を言おうとした人が報復人事を受ける可能性がある」と懸念。

 そのうえで「官邸にこびる忖度人間が厚遇されるかもしれない」とし「少なくとも萩生田副長官は『疑惑を払拭する説明責任を果たさない限り』夏の人事を行うべきではない」と釘を刺した。

 人事については森友学園への国有地払い下げでの8億円をめぐる資料について「資料はない」「記憶にない」と野党の追及を乗り切った理財局長を次期人事異動で国税庁長官に昇格させるとの報道もあり、報道通りなら論功人事ではないのか、との見方もある。

 また、野田前総理は加計学園疑惑について、ブログで「益々深まってきた」とし「先週は、自民党の下村博文幹事長代行(元文科大臣)が同学園から『闇献金200万円』を受け取っていたとする報道があり、政治資金規正法違反という疑いについて本人は否定しているが、両者の関係が極めて親密であることは明白」と指摘。

 「総理のご意向で『加計ありき』で獣医学部の新設が決まったのは、総理の側近である下村議員が下地を作り、それをこれまた総理の側近である萩生田官房副長官が実現したという構図が浮かんでくる。まさに三位一体で『お友達優遇政治』を進め、行政を歪めていたのではないかと考えますが、これも『下衆(げす)の勘ぐり』でしょうか」と高村正彦自民党副総裁が使った表現で皮肉った。

 野田前総理は「総理は全く説明責任を果たそうとしない。疚(やま)しいところがなければ、逃げ隠れせず国会で堂々と答弁すれば済むはず」と臨時国会を召集するよう求めている。(編集担当:森高龍二)