死刑制度廃止を目指す社会民主党は13日、死刑囚2人に同日に刑が執行されたのを受け、抗議の談話を発表した。
談話は「政権交代前の慎重な議論の積み重ねを全く顧みず、死刑制度の維持・正当化を狙う安倍政権の偏向した姿勢の表われに他ならない」と問題提起し「8月初旬とも言われる内閣改造で交代が確実視されている(金田勝年法務大臣が)残余期間に実績作りでもするかのような駆け込み執行で、強い批判を免れない」と批判。
そのうえで「政府および法務大臣は早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方について国会で徹底した議論を行い、その間は死刑執行を停止すべき」と求めている。
死刑制度については刑罰が犯罪者の社会復帰の「教育」のためにあるものとする考え方の立場からは、死刑では刑の目的が果たせなくなるとして廃止を求めている。一方、犯罪抑制効果と人を殺害すれば死をもって償わせるという応報刑の立場からは死刑はあってしかるべき刑となる。死刑廃止については今も世論が分かれている。(編集担当:森高龍二)