内閣府の世論調査で死刑制度はやむを得ないと回答者の8割が思っていることが分かった。死刑を残す利湯では被害者や家族の心情、凶悪犯は命を持って償うべきなど応報刑的な捉え方がやむを得ないと答えた人の半分以上を占め、死刑の犯罪抑止力についても死刑がなくなれば凶悪犯罪は増えると57.7%が答えるなど犯罪抑止効果があるとみている。
調査は昨年11月に調査員による個別面接聴取方法で実施され、20歳以上の男女1826人から有効回答を得た。それによると「死刑は廃止すべき」は9.7%で、「死刑もやむを得ない」との答えが80,3%にのぼった。
死刑は廃止すべきとした人があげた一番の理由は「裁判に誤りがあったとき、死刑にしてしまうと取り返しがつかない」(46.6%)で、「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」が41.6%で続いた。国家であっても人を殺すことは許されないとの回答も38.8%あった。
一方、死刑はやむを得ないと答えた8割の回答者のうち、死刑を将来においても残すべきと答えた人は57.5%。状況がかわれば将来は廃止しても良いは40.5%だった。
仮釈放のない終身刑を設けた場合に死刑をどうするかでは、死刑を廃止すべきではないが51.5%で死刑制度は犯罪抑止力や凶悪犯による被害者の心情、家族の心情も踏まえて残すべきとの考え方の多いことが分かった。犯罪抑止力効果への期待とともに罪は「教育刑」というより「応報刑」との考えをする人の方が多いようだ。(編集担当:森高龍二)