法務省は12日、死刑囚に刑を執行した。安倍政権下での死刑執行は6人目になる。刑の執行に、社民党など死刑制度に反対する政党や団体からは抗議の談話が発表された。
刑罰が罪を犯した者への教育的なもの(教育刑)か、目には目を(報応刑)かが死刑執行のたびに論議になる。また死刑制度は人道上の問題として是非が問われる一方、犯罪抑止力としての社会的視点でも効果の意義が議論にあがっている。
死刑執行に談話を発表した社民党は「谷垣禎一法相は本日の会見で『慎重な検討を加えた上で執行を命じた』と述べたが、一審判決が死刑囚の生育歴や死亡者数などから『死刑には躊躇せざるを得ない』と無期懲役とした経緯などにも十分に目を向けたのか、また国際ルールに反する高齢者への執行という点についても疑問が残る」と批判した。
また、「今年5月、国連拷問禁止委員会が日本政府に対し『死刑を廃止する可能性を検討すること』と踏み込んだ所見を発表している」とし「死刑の廃止が国際社会の共通意思となりつつあるなかで、日本政府は度重なる指摘を無視し、一貫して世界の潮流に背を向け続けている。政府および法務大臣は早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方について、より開かれた国民的な議論を尽くし、その間は死刑の執行を停止すべきである」と求めた。(編集担当:森高龍二)