高度プロ制度、連合が容認姿勢を撤回

2017年07月28日 08:05

 連合は27日、成果型労働制度とされる「高度プロフェッショナル制度(高度プロ)」を含む労働基準法改正案に対し、さきに安倍晋三総理に年間104日以上の休日を確保することなどの規定を法に盛り込むことを要請するなどし、制度を事実上容認する格好にしたことについて、容認する姿勢を撤回するとした。傘下の労組などから反発の声が相次ぎ、執行部が撤回へ押し切られた格好。

 逢見 直人事務局長は局長談話を発表し、要請は「連合が政府に対して最低限の是正を求めたもの」とした。逢見局長は「企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大では『課題解決型提案営業』の内容が判然とせず、法人営業全体に広がりかねないこと、経験年数の浅い労働者も対象となることが懸念される」としている。

 また「高度プロフェッショナル制度については対象労働者の範囲はある程度絞られ手続きも厳格ではあるものの、制度の対象となる労働者の働きすぎを防ぐ健康・福祉確保措置が3つの中から1つ選択という不十分なもの」と懸念した。

 談話で「連合は両制度を導入すべきでない、という反対の立場から、過労死・過労自殺ゼロはもとより、全ての働く者の命と健康を守り健やかに働き続けられる社会の実現に向けて、労働政策審議会での議論および民進党と連携した国会での取り組みを全力で行っていく」と事実上の仕切り直しを表明した格好。(編集担当:森高龍二)