稲田防衛大臣辞意固める 日報隠ぺいへの関与は

2017年07月28日 08:24

 PKO活動に参加した自衛隊の日報隠ぺい問題で、陸自トップの陸上幕僚長が辞任する意向、事務方トップの事務次官は更迭される見通しの中、稲田朋美防衛大臣が辞意を固めた。日報を巡っては特別防衛監察の結果がきょう28日、公表されることになっている。

 稲田大臣は日報隠ぺい問題について「私は一貫して『日報』は公表すべしという立場から指示をし、一旦、不開示決定になったものを、今年の2月に要求されているもの全て開示するということで、不開示決定も取り消している。要求されている日報は全て公表しており、私が存在を知って、隠ぺいを了承するとか、隠ぺいを指示するということは、一連の今までの自分の政治的姿勢とは全く正反対」と記者会見でも、国会答弁でも、一切関与していないし、陸自に日報が残っていたことの報告も「報告を受けたという認識はない」と明確に答えていた。

 特別防衛監察の結果に、稲田大臣の関与について触れているのかどうかも注視される。稲田大臣については都議選自民党候補の応援に「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」など、自衛隊法、公選法に違反する発言をし、発言から約4時間後に発言を撤回したものの、自衛隊の政治的中立性を脅かす地位利用発言に、この時点で辞任すべきだったとの声が強い。野党からは日報問題を巡り、稲田大臣の防衛省統制能力に疑問の声があがり、即刻辞任を求める声が強まっていた。(編集担当:森高龍二)