南京事件への政府認識 村山談話から変化なし

2012年02月23日 11:00

 藤村修官房長官は南京大虐殺について、22日、政府の認識として1995年8月15日に当時の村山富市総理が戦後50年の節目にあたって発表した「村山談話以来、政府の姿勢は何も変わっていない」と南京事件を含めそうした事実のあったことを政府として認めるとともに、反省をし、戦争は二度と繰り返さず平和国家としての道を歩んでいく決意であるとの認識を示した。

 河村たかし名古屋市長が名古屋市を訪問した姉妹都市提携先の中国・江蘇省南京市政府代表団と会談の際に「南京事件はなかったのではないか」と発言したことから、南京市が行政当局との交流を当面中止する措置をとるとしたことに対し、政府としての認識と対応を記者団から聞かれて答えた。

 藤村官房長官は「名古屋市と南京市との間で適切に解決されていくべき問題」とし、姉妹都市という関係からも、両市レベルでの関係修復を見守る姿勢をみせた。

 政府として現在も見解を同じくしているという村山談話では「わが国は遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とし「私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」と南京大虐殺などについて間接的な表現ながら、これを反省し、過去の旧日本軍による行為を謝罪した。(編集担当:福角忠夫)