軽自動車のベストセラー、ホンダ「N-BOX」フルモデルチェンジ、新エンジン搭載

2017年09月01日 08:20

Nonda_N-BOX

写真奥が丸目基調の「N-BOX」、手前が「N-BOXカスタム」。個人的にはファニーな印象の「N-BOX」のほうが“……らしい”

 ホンダが同社のベストセラーモデルである「N-BOX」の2代目となる新型を発表した。発売は9月1日で、従来どおり「N-BOX」と「N-BOXカスタム」という構成だ。この2モデルは顔付きが大きく違う。

 「N-BOX」は、プロジェクタータイプのLEDヘッドライトを全タイプに標準装備し、リング状のポジションランプで「N」シリーズの特徴である親しみやすい丸目モチーフを表現した。クリアとホワイトのアウターレンズで洗練された印象を与える。また、ターンシグナルランプを含むフロント灯をすべてLEDとすることで、省電力化を徹底した。

 「N-BOXカスタム」は、もうひとつのN-BOXとして独自にデザインした。押し出し感や風格を従来手法から一歩進めて、先進かつ上級の技術やデザイン手法を取り入れた。プレミアムカーを普段着で乗りこなすようなハイエンドな世界観を創出するため、軽乗用車初となるシーケンシャルタイプのターンシグナルを採用した。

 新型は、高効率フロアフレーム構造や高張力鋼板の適応拡大に加え、新しい接合技術を導入し軽量化と高剛性化を両立した。サスペンションシステムの高性能化、フロントピラーの極細化による前方視界の向上などの進化で、安心感のある走りと低燃費、快適な乗り心地を実現した。

 なかでも新開発のエンジンは注目だ。新開発のパワートレインは、自然吸気エンジンにi-VTECを、ターボエンジンには電動ウェイストゲートを、いずれも軽乗用車で初めて採用した。さらに、ボア×ストロークを従来の64.0mm×68.2mmだったものから、60.0mm×77.6mmとしたエンジンブロックを新たに開発し、ボア直径を小さくし、冷却損失を減らした。この結果、点火プラグから燃焼室末端までの距離が短くなり、ノッキングに強い構造となった。

 一般的なロングストロークエンジンは、燃費に優れる反面、ピストン径が小さいため 高出力化が困難だとされる。が、新エンジンは、ホンダお得意のVTECによって吸気効率を高め、燃費と出力を両立させている。

 NAエンジンの出力&トルクは、58ps/7300rpm、65Nm/4800rpm、JC08モード燃費27.0km/リッターを達成。ターボは64ps/6000rpm、104Nm/2600rpm、JC08モード燃費25.6km/リッターを達成した。

 組み合わせたトランスミッションは、変速ショックのないスムーズな走りを実現しつつ、燃費性能にも大きくかかわるCVT(無段階変速機)を従来どおり採用した。新型は走りと燃費を両立させるため、2系統吐出オイルポンプシステムを採用するなどして効率向上を図った。

 安全装備にも隙がない。ホンダ軽乗用車に初採用となる、先進の安全運転支援システムHonda SENSINGは、基本の8つの機能に加え、オートハイビームならびにホンダ初となる後方誤発進抑制機能を追加。全タイプに標準装備した。

 新型の価格は「N-BOX」(FF車)が138万5640円から174万9600円、4WD車は13万0680円高。「N-BOXカスタム」(FF車)は、169万8840円?194万9400円、4WD車は同じく13万0680円高となる。軽のベストセラー、新型は快進撃となるか。(編集担当:吉田恒)