ホンダ、原付三輪「ジャイロ」を「平成28年排出ガス規制」に適合させ発売

2017年08月27日 14:01

Honda_Gyro

ホンダは、ビジネス用途で活躍している原付三輪スクーター「ジャイロX」と「ジャイロキャノピー」を「平成28年排出ガス規制」に適合させた。写真は「ジャイロキャノピー」、56万0520円

 2015年の7月1日に公布・施行された「バイクの排出ガス規制」強化によって、国内バイクメーカーのラインアップが大きく変わる。継続生産モデルでも2017年の9月1日から「平成28年排出ガス規制」対応適応となり、9月1日までに適応できない現行バイクは販売できなくなる。

 ホンダは、積載性に優れ小型荷物の宅配など幅広いビジネス用途で活躍している原付三輪スクーター「ジャイロX」と「ジャイロキャノピー」を、「平成28年排出ガス規制」に適合させ、一部仕様変更を実施して9月22日に発売する。

 ホンダ・ジャイロは、車体中央付近に回転軸を持ち、前輪や運転席を含む車体のほとんどを左右にスイングすることができる。この機構によってオートバイのバンクと同じく旋回時に車体を内側に傾けて重心移動できる。ホンダ・ジャイロは、1982年の登場以来、大きなモデルチェンジは行なわず、2008年に2ストロークエンジンを4ストロークに換装し、現在まで販売されている。

 今回、「平成28年排出ガス規制」対応として日本で初の導入となる「燃料蒸発ガス抑制装置」や、排出ガスの異常を警告する「車載故障診断装置」を装着した。また、新たにリアフェンダーの左側にエンジンオイルの点検・交換時に役立つ開閉式の点検窓を設置し、オイルレベルゲージを延長しメンテナンス性を向上させた。

 パワーユニットは従来同様、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)や触媒装置(デュアルコアキャタライザー)による環境性能や経済性に優れた水冷・4ストロークOHC4バルブ50ccエンジンを搭載。走行安定性の高い車体には、前・後輪にアルミ製ホイールやチューブレスタイヤ、大径ドラムブレーキを装備している。

 ジャイロXは、ウインドシールドと車体前・後にキャリアを装着したスタンダードタイプと、ウインドシールドとリアキャリアを廃したベーシックタイプの2タイプを設定。また、ジャイロキャノピーは、雨や埃など天候の影響を受けにくい大型フロントスクリーンとルーフを装着しながら、開放感のある運転スペースと良好な視界を確保。宅配ビジネスや出張修理サービスなど、多様化するビジネス用途の要望に対応できる仕様となっている。

 新型ジャイロXのカラーリングは、両タイプともシャスタホワイトとファイティングレッドの2色を用意。ジャイロキャノピーにはシャスタホワイトの1色を設定した。価格はジャイロXベーシックが39万7440円、同スタンダードが41万9040円、ジャイロキャノピーが56万0520円。

 従来からジャイロキャノピーは、ちょっとした改造でミニカーとして登録することも可能で、カスタマイズを楽しむ一部愛好家の間に根強い人気がある。ただ、ミニカー登録をするとオートバイの免許では運転できず、普通自動車免許が必要だ。最近では個人の顧客だけでなく、業務車としても、合法的にヘルメット装着なしで時速30km/h以上で走ることが可能で、かつ法規上、二段階右折の必要もないミニカー登録車が増えていた。(編集担当:吉田恒)