東京地裁の適法判決に主張が認められたと文科相

2017年09月17日 08:11

 朝鮮学校への就学支援金について林芳正文部科学大臣は15日の記者会見で「法令に基づく適正な学校運営について十分な確証が得られない。そのため審査基準に適合すると認めるに至らなかったということから、支援校から外している。法令の趣旨にのっとって適切に判断したと思っている」と述べた。

 林大臣は東京地裁が13日に、朝鮮学校を就学支援金対象から外した処分について、政治的・外交的理由でされたものとはいえず、文部科学大臣の裁量権の逸脱、乱用はないとしたことや法令に基づく適正な学校運営について十分な確証が得られないとした判断を不合理とはいえないとしたことに「広島地裁の判決と同様、国の主張が認められたものと受けとめている」と答えた。

 朝鮮学校を高等学校授業料無償化対象から外していることについては文部科学大臣の判断の違法性や朝鮮学校の運営に対する朝鮮総連(在日朝鮮人総連合会)の影響力などへの判断をめぐり、司法の判断が分かれている。

 東京地裁で判決が出たが東京(原告は今後、控訴の方針)はじめ、広島(控訴中)、大阪(控訴中)、名古屋(審理中)、福岡(審理中)でも司法の場で係争中。

 このうち3つの地裁で判決が出ているが、東京地裁と広島地裁は文部科学大臣の判断に「大臣裁量の範囲」とし「裁量権の逸脱・乱用はない」としているのに対し、大阪地裁は「拉致問題解決の妨げになるという外交的・政治的意見に基づくもので、法の趣旨を逸脱している」とし「除外は違法・無効」と判決している。

 就学支援金が「授業料に充てられるという十分な確証がない」(国主張)と、適正利用が担保されていないというのであれば、就学している生徒に直接給付するなど、支援方法の在り方に検討の余地がありそうだ。(編集担当:森高龍二)