安倍晋三総理は子育て支援など全世代型社会保障、人づくり革命の財源に安定的な財源確保が必要で、2019年10月に引き上げる消費税2%(税収増は5兆円強のみ込み)の中から必要な費用を確保するので、消費税増税分(1兆円を社会保障に、4兆円を借金返済にあてる)の使途変更に国民の信を問うとして「28日に衆院を解散する」と25日の記者会見で表明した。
しかし、消費税引き上げは2年先の話。なぜ今、臨時国会召集冒頭に審議もせず解散する必要があるのか、全く、説明がなかった。
与党議員の中からも疑問の声があがっており、総理や総理夫人も関係する森友問題、加計学園疑惑の追及から逃避し、選挙で「与党で過半数」を確保し、幕引きにするのが最大の狙いでは、との見方もでている。
10月下旬には加計学園獣医学部新設を認可するかどうか、文部科学大臣の諮問機関「大学設置審議会」の判断もある予定で、これへの影響を少なくする狙いがあるのでは、との見方もある。
安倍総理は25日の記者会見で、自ら「選挙戦でも、野党の皆さんの批判は(森友学園問題や加計学園疑惑に)集中するかもしれない」と語った。
そのうえで「こうした中での選挙は厳しい、本当に厳しい選挙になる。そのことはもとより覚悟している」と政府側の説明が果たされていない状況で、しかも臨時国会で説明することも放棄した状況で、争点にあげられることを強く意識した発言をした。(編集担当:森高龍二)