自動車の使用年数は平均するとおよそ8年。それに対して耐用年数はおよそ10年ほどといわれている。将来の技術革新によっては1台の車に乗ることができる期間というものは短くなる可能性はあるが、今後しばらくの間は、その期間で推移していくと思われる。
かつて自動車といえば若者のステイタスとして必要不可欠な存在だった。それから時は流れ自動車に対するニーズというものは生活必需品へと変わりつつある。そんな自動車に対するニーズの変遷を示すデータとして、乗用車の平均使用年数は1台あたり12.58年というものがある。これは一般財団法人自動車検査登録情報協会が調べたデータであり、1976年当時の同じデータでは6.9年という結果であることから、その期間はおよそ2倍に伸びているという。ちなみに、この年数は1台の自動車が新車登録されてから抹消登録されるまでの期間のことで、当然ながらその間には何度かオーナーが代わっている可能性もある。
では、実際に1人のオーナーが自動車を買い換えるまでの期間はどの程度のものだろうか。
中古車市場大手のカーセンサーの調査では、平均すると1オーナーにつき8.35年とされており、それでも1976年当時の平均使用年数と比べて使用期間が伸びていることがわかる。つまり、1台の自動車をより長い期間利用する人が増えているということになる。この平均8.35年が自動車における「使用年数」と考えることができる。
この8.35年という数字の伸びについては様々な背景がある。たとえば、技術の進歩によって自動車そのものの耐久性が向上したというケースだ。確かに自動車の性能というものは年々向上しており、過去には無かった機能が実用化され、新たに組み込まれることも珍しいことではない。それと同じく自動車を構成する部品の耐久性も向上し、より長く自動車を運用できるようになっているというわけだ。また、自動車を新車で買った場合の平均価格が200万円前後であるという点も関係しているだろう。生活必需品となった現在もなお、自動車というものは高額の商品であるということに変わりはなく、そうおいそれと買い替えができるような商品でもないのだ。
ところで自動車の耐用年数というものはどの程度なのだろうか。一般的には10年がひとつの目安と考えられているが、この「10年」というのは先ほど説明した使用年数の「8.35年」が関係していると考えられる。つまり、8年前後で買い換える人が多いことから、区切りの良いところで10年をひとつの目安としているということである。経済という観点だけで考えると、平均200万円の高額商品だからできるだけ早いサイクルで回した方が経済の活性化という意味では効果が高い商品といえる。先述のカーセンサーでは、劇的な技術革新があれば使用年数についてはもう少し短縮されるとの予想もあるが、いきなり画期的な技術が実用化されるという可能性は決して高くはない。今後しばらくは自動車の使用年数については8~10年の間で推移していくと考えておいた方が良いだろう。(編集担当:久保田雄城)