トヨタ自動車北米事業体であるToyota Motor North America(TMNA)は、米国で初めてとなるハイブリッドパワートレーンの生産をはじめとした、エンジンなど主要部品のさらなる現地化を推進するため、米国内の5つの工場へ、合わせて3.7億ドルを投資すると発表した。
具体的には、まず2020年より、米国内で初となるハイブリッド用トランスアクスルの生産をToyota Motor Manufacturing West Virginia, Inc.(TMMWV)で開始する。それに伴い、Bodine Aluminum, Inc.(Bodine)ジャクソン工場において、ハイブリッド・トランスアクスル用ハウジングおよびケースの生産を開始する。
また、Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc.(TMMK)ではTNGA(Toyota New Global Architecture)で開発した新型2.5リッターエンジンの生産能力を増強する。そのために、Bodineジャクソン工場で2.5リッターエンジン用のブロック、およびBodineトロイ工場で2.5リッターエンジン用シリンダーヘッドの生産能力を大幅にアップさせるという。
TMMALではTNGAエンジン生産のため工場を刷新し、技術者50名の新規雇用を予定している。
各工場の具体的な投資額は、ハイブリッド用トランスアクスル生産ラインを新設するウェスト・ヴァージニア州TMMWV工場には1億1530万ドル。TNGAの2.5リッターエンジン生産能力を増強するケンタッキー州TMMKには、1億2096万ドル。TNGAエンジン生産に向けた工場刷新するアラバマ州のTMMALには、1億0600万ドルなどと、主要工場には概ね1億ドル超の投資となる。
TMNAでは、「今回の投資は、需要のあるところで車両および部品の生産を増やしていくというトヨタの長期的コミットメントに基づく判断である。将来にわたり、ユーザーと販売店のニーズを満たす生産体制を構築していく」とした。
また、「今回の5工場に対する投資は、最新TNGAエンジンの生産能力を拡大し、トヨタのコア技術であるハイブリッドパワートレーンの現地化を進めるもので、この判断は、トヨタの北米生産に対する信頼とグローバル競争力への自信を示している」ともコメントを寄せた。
トヨタはすでに米国で300万台以上、グローバルで1千万台以上のハイブリッドモデルを販売しており、ハイブリッド技術の開発で培った技術を生かし、同時に車両の電動化に向けた開発をも加速するという。(編集担当:吉田恒)