マツダは開催中の「第45回東京モーターショー」で、デザインコンセプト「マツダVISION COUPE」をワールドプレミアした。
マツダは2010年から「魂動(こどう)…SOUL of MOTION」というデザインにおけるテーマとして掲げ、生命感あふれるダイナミックなデザインのクルマを標榜し、「クルマに命を与える」を哲学に開発しできた。
「VISION COUPE」は、日本の美意識を礎とした「新たなエレガンス」の表現を追求したコンセプトモデルで、前回の2015年の東京モーターショーでブースの中央に置いた「RXビジョン」を継承するクーペコンセプトと言えそうだ。
このクルマの「エレガンス」とは、マツダによると日本の美意識に通じる「控えめでありながら豊かな美しさを持つ」ことを意味し、凛とした印象の中にもゆとりがあり、艶がある。このイメージを、マツダらしい「エレガンス」としてクルマのデザインに表現したという。
また、日本の美意識とは、これ見よがしに主張するものではなく、繊細なバランスの上に成り立つとし、マツダの次世代デザインは「引き算の美学」、すなわち引くこと、省略することによって生まれる「余白の豊潤」を大切にし、要素を削ぎ落としたシンプルなフォルム、そして研ぎ澄まされた繊細な光の表現でクルマに命を吹き込むことに挑戦するとした。
「マツダ VISION COUPE」。次世代デザインが目指す、「エレガントで上質なスタイル」を描いた4ドアクーペのデザインビジョンモデル。
基本骨格は伸びやかなクーペとし、クルマらしい美しさ、マシンとしての性能の高さを感じさせるシルエットとした。そのうえで、先に記した「引き算の美学」を体現したシンプルなフォルム、ショルダー部のシャープな陰影、ボディサイドのリニアに変化し続ける光と影の映り込みを意識した面の構成、それら繊細なコンビネーションが、自然な新しい生命感を表現している。
パワートレーンやボディ骨格、シャシー構造などメカニカルな説明はないが、マツダの未来のクーペには是非とも復活するであろう進化したロータリーユニットを搭載して貰いたいものだ。
日本の美意識を体現し、マツダらしい「エレガンス」を追求する大きく深化する魂動デザイン。マツダデザインの新たなステージが始まる。(編集担当:吉田恒)